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夜行日和

短歌まとめ

銀色の雨

三角をどんどんどんどん繋げたらうちのシャワーカーテンに続く

猫のいる気配だ日暮れの自販機の裏とかブロック塀の間に

近づけば逃げていってしまうところとかきみらはほんときぼうみたいだ

四時になるから帰って歌いましょう あなたも一緒に歌いましょう

食べかけのカップケーキを投げ捨てる 感情を捨てる覚悟で投げる

ほんとうをほんとと略すほんとうのうにほんとうが隠れているから

こうやって忘れ去られていくことも小気味がよくてわたしは好きだ、

こんなもの捨てちまえよと言われてもとてもとても金色なんだ

ぼくたちは複雑な脳を持っているらしいおかげでなにもわからない

コンビニが建ってその前その場所がなんだったのか思い出せない

ぼくたちは取り残されてしまったんじゃないだろうなこのまひるまに

太陽に当ててやろうか風は少し強いがぼくは
ぼくを押し出す

静かなる発泡スチロールの箱よアイスクリームを内臓として

衣擦れの音も立てずに生きるには猫になるしか他にあるまい

眠いので銀のアラザン投げつける相手をときどき間違えている

アラザンのアラザンによるアラザンのために降らせる銀色の雨

あの人にぶつけるためのアラザンを抱きしめてたら冬が終わった

一緒には居られなくてもいいんだよどっかで元気にしてたらそれで

誰でもいいからしろくまのぬいぐるみと手を繋ぐさぁ夜だ踊ろう

らららららひかる輪になるひらがながあるならそれはららららららら

この皮膚のどこかに切り取り線がある日本製であるのは確か

一回だけ倒れておこう天井を見よう誰かが起こしにくるまで

じゃあぼくは日の沈む方に帰るねいつでも死ねる月が明るい

待ち合わせしているような振りをしてテーブルの下で脈を数える

明るくて五月蝿いフードコートでは隣が大体家族かカップル

鉄板に載った牛肉ひたすらに無言で食べる真顔で食べる

手洗いの蛇口が子供用なのでがに股で20センチ沈む

完全にまっすぐにはなれない僕よ ひとつだけ望みをきいてやる

透明なウサギを飼って暮らそうよギターケースに入れておこうよ

前髪を切りすぎたとか言い訳をしながら撫でるおでこの丸み

閉まってるシャッター見ると叩きたくなるんだ多分これは遺伝だ

玉子焼き甘いやつしか食べたことないから甘いのしか作れない

春風と言えるかどうかわからない風がばよえ~んと言いながら過ぐ

もっと簡単に狂ってしまえたらいいのに狂ってしまえしまいた

2017.2.16~2.28